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レビュー(Amazon.co.jp)
???2006年10月に公開された、上野樹里主演のヒューマンドラマ。共演は、本上まなみ、沢田研二ほか。成長著しい上野が、期待の女性監督・安田真奈のもと、家族の絆を再発見してゆく娘の姿を印象的に演じている。思春期〜20歳前後の女性にありがちな父親への反発や嫌悪感、気に入らないものをうざったく思う気持ち、自尊心の強さなど、主人公・怜(上野)の振る舞いはどこか可愛らしくもあり、深い共感をおぼえる。また、一見家族をないがしろにして店に賭けているような父(沢田)の姿は、その内面を知るうちにしみじみといとしく思えてくる。さらに、舞台となった和歌山県田辺市界隈の風景や、味わいのある和歌山弁で交わされる言葉は趣きがあり、本作をより情緒豊かなものにしている。故郷や肉親の尊さを見つめ直せる、素敵な物語。(みき〜る)
カスタマーレビュー ![]()
なぜ三姉妹は父親の浮気疑惑を不問に付したのか?
(2008-08-01)
これが、この作品を見終わって最初に感じた感想です。
この父親の浮気エピソードは作品中のひとつのヤマだと思うのですが、最初からあまり気にしていなかった姉(本上まなみ)はともかく、あとの二人(上野、中村)の心境の変化を追うことが出来ませんでした。そのためになんとなくまとまりのない作品に感じられました。
このあたりが丁寧に描けているともっと良かったと思います。
オルゴールのシーンが響いたなあ
(2008-04-19)
安田監督の作風は決して派手なものではない。本作も静かな語り口で、また絵にかいたような低予算(笑)ムービーである。3姉妹と沢田研二の出演料で「ザッツ・オール」みたいな感じだが、それでもこの作品が胸にジンと響くのは、矛盾なく書き込まれた脚本と、ベベチオの歌うテーマソングの効果が大きい。いくらいい俳優を揃えても「ありゃりゃ」という作品はそこかしこにあるし。加えて主演の上野樹里の完璧な演技。これだけ役柄に応じて感度を変えられる女優はそうはいない。ネチッこいんだが、イヤミにならない。ヒネクレてるんだけれど、応援したくなる。本当にそこいらにいそうな娘っぷりが凄いのだ。本上まなみ、中村静香も田舎娘らしい好演で、温かい良作に仕上がった。夜、山合いの町に電気がポツポツとついていく様だとか、人との交流で徐々に心を開いていく怜の心情の変化だとかもグッとくる。そして何より最後のオルゴールのシーン。あのシーンはダメだ。涙が止まらなくなる。怜のココロに「幸福のスイッチ」が入った瞬間である。怜は最終的には田辺の町に戻っていくのではないか。そんなことを予感させるラストシーンも秀逸だった。ポスタービジュアルがイマイチかな、と思うが(笑)、中身は最高の作品なので、あらゆる世代の人に観てほしい。
普遍的な家族愛
(2008-03-14)
上野樹里のこれまでにない表情が見れて良かった。演技も田舎の雰囲気に溶け込んで違和感がない。
最初はセーラー服で女子高生として登場し、デザイナーになって東京であか抜けたファッション。ジャージは、ある意味おなじみかもしれないが、電器屋の制服姿も似合ってる。
きっと上野樹里ファンは、映像と演技で満足できるかと思う。
しかし、映画のストーリーはあまりにも普通で、家族ってそういうもんじゃないの?っていうのが見終わった感想。特別に幸せな家族でもないし、予想外の事件が起こるわけでもない。
きっとみんなこういうもんだよね。と納得はできるけど、結局何が面白いのかと言われると答えにくい。
自己主張の強い主人公は仕事がうまくいかず、いらだって辞めてしまう。そこで、実家に無理矢理帰されて、反発していた家業を手伝う中でお客さんと向き合い、自己を主張するよりも、相手の要望を聞くことが大事だと電器屋の仕事から学んでいったようだ。
ちょっと仕事でイライラしてる人ならば、デトックスには良いのかもしれない。
幸福を求める人が見つけなければならないスイッチ
(2008-02-16)
小さな田舎町の小さな電気屋「イナデン」を舞台にした物語。
3人娘の真ん中のレイが主人公で、
顧客第一で仕事に励む父や、姉妹、
そして「イナデン」の客との交流を通して、
レイの心の成長や感性の変化が、ほのぼのと描かれている。
「親の心、子知らず」とはよく言うが、
子供が親の心を少しずつ理解していくプロセスが、
なんともあたたかく描かれていて、
鑑賞後には鑑賞前よりも少し前向きになっている自分に気づく。
この作品が与えてくれる「元気」のおかげだ。
また、町の小さな電気屋と大型家電量販店の戦いや、
弱者がビジネスを継続、拡大するためのヒントにも満ちている。
大企業が謳う「お客さまのため」というセールストークは、
もはや我々の心には響かない。
本当の意味で「人の役に立ちたい」と願い、
泥臭い仕事にも文句を言わずに気持ちよく取り組む
かよわき人々の偉大な戦いが見事に描かれている。
父や姉妹にイライラ、彼氏にイライラ、
周りの人にケチばかりをつけていたレイも、
必死に生きる人たち、厳しい状況の中でも前向きに生きようとする人々を目にし、
あのスイッチの存在に気づき、
パチンとONにすることで、
前に見えなかったもの、感じなかったものに気づいていく。
「ジョゼと虎と魚たち」でも変テコなおばあちゃん役を演じた新屋英子、
頑固親父を演じた沢田研二がとてもハマリ役で、
両方ともなんともいい味を出していた。
心が疲れている人たちにぜひみてもらいたい。
地元密着型町おこしムービー
(2007-12-01)
『フラガール』、『UDON』に続く、地元密着型町おこしムービー。で、今回のタイアップ先はみかんの産地で有名な和歌山県田辺市だそうだ。みかん農家の嫁か熊野神社の巫女さんが主人公と思いきや、なんと家電小売店美人三姉妹の次女・怜(上野樹里)がヒロインの物語であった。おそらく全国どこにでもある町の電気屋さんの映画を見て、わざわざ和歌山県へ行ってみようという気を起こす人はほとんどいないであろう。
近所に大型量販店ができたため、アフターケアに力を入れ生き残りをかける『イナデン』。父親(沢田研二)の怪我をきっかけに、東京でイラストレーターの仕事に行き詰っていた怜は家業を手伝うべく実家に戻るのだが・・・。コメディなのかなと思って見たが、劇中笑える場面はほとんど出てこない。若手演技派女優の上野樹里は父親に反発するふてくされキャラを卒なくこなしてはいるが、『イナデン』を頼る町の人々との交流、父親との仲直りを通じて再生していくくだりがあまり感動的ではない。
父親が浮気をしていたのか、それともしていなかったのかという劇中唯一のミステリーも、「別に気にすることあらへん」的ノリであっさりとスイッチOFFされ、怜が誤ってこわしてしまったHDVが後で致命的な事件につながるのかと思いきや、なんとも簡単な自白によって途中断線してしまう。家電業に対する作家の思い込みだけで書き上げてしまった脚本は、伏線の張り方やお笑い要素、そしてタイアップ先への観光客誘致の配慮にも欠け、電力会社か家電メーカーだけが喜びそうなストーリーとなってしまった。


